NYタイムズスクエアのオフィスビルが住宅に ジェンスラーが大規模転換計画

2025.06.02   賃貸&ホテル 


ジェンスラー、タイムズスクエアのオフィスタワーを住宅に転換 1,250戸の新規住戸を計画

建築設計大手ジェンスラーは、ニューヨーク・タイムズスクエアに位置する「5タイムズスクエア」の大規模再開発計画を発表しました。このプロジェクトでは、約100万平方フィート(約9万3,000㎡)のオフィススペースを住宅へと転換し、既存の約3万7,000平方フィート(約3,400㎡)の小売スペースは維持されます。

再開発によって新たに1,250戸の住戸が誕生する予定で、その内訳はスタジオタイプが1,050戸、1ベッドルームが200戸となります。すべての居住者は共通のアメニティに平等にアクセスできる設計です。また、1,250戸のうち300戸以上は、地域中央値所得(AMI)の80%以下の世帯を対象とした「恒久的な低価格住宅」として提供される予定です。

この「アダプティブ・リユース(用途転換)」戦略は、長期的に空室率の高いオフィスビルを、深刻な住宅不足に対応する資源として再活用する試みで、商業機能と住宅機能の共存を可能にするタワー構造の柔軟性を活かしています。

プロジェクトの対象地は、セブンス・アベニューと41〜42丁目の交差点に位置し、12本の地下鉄路線と広域交通網に直結。州知事キャシー・ホークル氏とアダムズ市長が推進する「トランジット志向型開発(TOD)」のビジョンとも合致し、車への依存を減らしながらミッドタウン・マンハッタンの持続可能な都市成長を支える狙いです。

工事開始は2025年第3四半期、第一期の完成は2027年を予定しています。

都市再生の鍵としての「用途転換」

全米では現在、オフィスビルの空室率がかつてないほど高まっており、とりわけパンデミック以降の都心部では、リモートワークやハイブリッド勤務の定着により、商業スペースの需要が急減。数百万平方フィートもの空きオフィスが発生しています。

こうした状況に対し、都市計画担当者や開発業者、政策立案者らは、建物の再活用を模索。中でも「オフィスから住宅への転換」は、余剰オフィス問題と住宅不足という2つの課題に同時に対応する手段として注目を集めています。

このような転換は技術的にも財政的にも容易ではありませんが、都市再生を後押しする公共政策や助成制度、規制緩和が各地で進みつつあります。建築家や開発業者も、アメニティが充実した柔軟な生活空間として、オフィスビルの再設計に取り組んでいます。

用途転換の動きは、オフィスにとどまらず、工場跡地や宗教施設、歴史的建築物など多様な建築類型に広がっています。最近では、オランダ・ヘールレンにある聖フランシス教会を公共のスイミング施設に改修するMVRDVとZecc Architectenの案や、スペイン・バルセロナで火力発電所「トレス・シェメネイエス(三本煙突)」をメディアハブに転用するGarcés de Seta BonetとMARVEL Architectsの共同案などが、国際的な設計コンペで注目を集めています。


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こちらの記事は「Archdaily」の公式サイトから引用しています。詳細は以下のリンクをご覧ください。

https://www.archdaily.com/1030537/gensler-announces-plans-to-transform-times-square-office-tower-into-housing-in-new-york-city

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